【編集長コラム】地域の理想の未来をデザインする

ひと しごと もの こと ~編集長亀岡のシティプロモーション論~
2018-12-26

こんにちは。フラクタルの菅野です。
今回のCONEC-TOPEコラムは、特別編といたしまして亀岡編集長のシティプロモーションに対する想い、そして、コミュニケーションデザインによる地域との関わり方について記事にまとめました。地域の本質的な課題を発見し解決に導く手法など、これから地域の課題解決に取り組みたい方におすすめです。


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●縮みゆく日本、老いゆく日本

これからの日本は世界に先例のない少子高齢化社会へと突入します。また、社会全体のデジタル化が進み、生活者のライフスタイルが多様化され、企業や社会が抱えている課題は、より高度化していきます。特に人口減少をはじめとした地域課題解決の必要性が高まっており、その解決策としてシティプロモーションが注目されています。

そのような難しい課題を解決するために、私たちは、さまざまなマーケティングとデザイン思考で、人や社会を洞察し、その意識や欲求を顕在化させることで、人の気持ちを動かす原動力となるアイデアを提供していきたいと考えています。


出典:国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集」


●なぜ、地域創生事業を構想するのか

私たちが地域創生やシティプロモーションをテーマに事業を構想するきっかけとなったのは、発酵食品メーカーのマルコメとキャベツ産地で有名な群馬県嬬恋村とのコラボレーションを企画したプロジェクトです。発酵食品と親和性の高い特産品の産地が実施するスポーツイベントに協賛することでブランドのファン獲得を目指しました。それぞれのモノにストーリーを纏わせてコトにするコミュニケーションデザインによって、イベント参加者から好評をいただき、SNSなどでも好意的に魅力が拡散されるなど、クライアントと目指した成果が得られました。また、地域住民や自治体職員からも特産品の情報発信となることを大変喜んでいただき、プロジェクトを歓迎してくれたのです。

この成功体験によってプロモーション企業の人材が世の中のさまざまな場面で活躍し、地域課題の解決に役立つことで、社会の一翼を担う事業構想が可能な存在次元に気づいたのです。

●暗黙知の共有|目標のビジュアル化

「地域と世界」「作り手と使い手」「技術とアイデア」「モノとコト」「人と人」点と点のつながりではなく、点を起点に有機的に広がるつながりをつくりたい。コミュニケーションデザインの課題解決力で地域の課題を解決したい。地域の理想的な未来を実現したい。フラクタルのプロジェクトメンバーがそれぞれの暗黙知を共有・表出することで目標をビジュアル化し、社会の持続可能な発展に貢献できるシティプロモーションとして事業構想がはじまりました。

●地域の課題|話題性やおもしろさが指標

地域創生を目的としたシティプロモーションの手法は様々ですが、その課題は自治体ごとに異なります。特産品の販路開拓が課題であれば、ブランディングや様々なメディアの活用が必要になりますし、人口減少が深刻な地域では移住定住の活性化策が重要になります。つまり、シティプロモーションとは、自治体が行う「営業活動」の総称と言えます。

本来、営業活動の成果は数値で評価されるべきです。しかしながら地域のあるべき理想の姿から手段としてのプロモーションを考えるのではなく、話題性やおもしろさと言う指標によるメディア選択が優先されているため、その是非が曖昧になりがちです。

私たちは、地域の暗黙知を共有し、創造的思考法で形式知とし、シティプロモーションとして体系化する必要があると考え、ケイパビリティであるコミュニケーションデザインの課題解決力を活用した事業を構想したのです。

●異質人材交流|課題の本質を見極める

フラクタルは、株式会社Little Japanとの共同事業として地方自治体の魅力発信と地域の理想の未来をデザインする地域創生イベント「蔵前ローカルラウンジ」を企画運営しています。当サービスはリトルジャパンが運営する地域と世界をつなぐことをコンセプトとしたゲストハウス及び地域イノベーターネットワークとフラクタルがプロモーション事業で培ったコミュニケーションデザインの課題解決力を活用したワークショップイベントです。

地方自治体職員が地域の課題を共有するプレゼンテーションを行い、来場者と共に特産品を食べながらワークショップを通じて語り合うことで地域内では生まれにくい外部視点による課題解決のアイデアやそのまちらしさや価値の再発見・再構築へと導き、地域課題の本質を見極めることができます。


2019年1月には、秋田県羽後町職員が案内する地域伝統に触れるイベント(ゆきとぴあ七曲観光・西馬音内盆踊り体験)参加や古民家に宿泊できるツアーが企画されるなど、交流人口の創出が実現しています。

●地域住民との対話|関係人口を創出する

私たちは、日本全国で活躍する地域おこし協力隊員や地域創生を目的にしたNPO法人・地域商社に参画する地域イノベーターにも注目しています。地域の皆さんとのネットワークを活用し、旬の食材を使ったごはんを食べながら、その地域の人たちと対話するネット中継イベントを立ち上げました。

地域で活躍する人から、そのまちらしさや特別な魅力を詳しく教えてもらったり、さまざまな質問をするなど、対話を重ねることでそのまちに興味を持ったり、好きになるきっかけとなり、新たな地域ファンとして関係人口の創出にもつながっています。


●イベントを点で終わらせない|メディアづくり

シティプロモーションの共通課題の一つとして、まちの魅力を発信するメディアが不足していると考えます。私たちが運営する自治体向けワークショップイベントや旬のごはんを食べながら地域とネット中継するトークイベントもコンテンツとして情報発信していかないと予算をかけたイベントの価値が伝わらず、点の活動で終わってしまいます。

私たちは、実施したイベントをコラムとしてメディア展開することでシティプロモーションとして発信していきます。また、地域の特産品についてはECサイトにて販路開拓やマーケティングのお手伝いを行います。


●実務家教員|シティプロモーションを研究

2018年に事業構想大学院大学よりオファーがあり、事業構想研究所客員准教授として公民連携のシティプロモーション研究会を担当することになりました。日本の人口減少や少子高齢化など地域課題解決の必要性が高まる中、事業構想を研究する実務家教員として理想の姿から考えるバックキャスティングによる課題解決へのアプローチで研究会をファシリテーションしていきます。本研究を通じて自治体課題の本質を見極め、公民連携による新たなシティプロモーションを開発するシンクタンク構築を目指します。


●終わらない事業構想|理想の未来をデザイン

私たちは、これからも地域創生という大きな社会課題の解決のために新しい事業を構想し続けます。地域の理想の未来をデザインするために、理想の世界から逆算するバックキャスティングの手法でアイデアを紡いでいきます。

2019年の取り組みとしては、地方自治体の魅力を発信し交流人口や関係人口を創出するシティプロモーション事業を中心に地域教育事業や震災復興をサポートするメディア事業に注力していきます。新しい事業構想として地域創生をテーマとしたオンラインサロンの開設や新しいインバウンドメディア開発にもチャレンジします。これからも顧客満足度の高いコミュニケーションデザインやソリューションの提供と同時に、世の中の様々な場面で活躍し、生活者の暮らしに役立つことで、社会の持続可能な発展に貢献していきます。


出典:事業構想大学院大学



◆CONEC-TOPE編集長:亀岡 勇人

株式会社フラクタル代表取締役。消費財メーカーを中心に大手企業からベンチャーまで幅広いクライアントのプロモーション企画を手がける。2018年度は参画する企業アライアンスが実現したインバウンドビジネスモデル開発で日本マーケティング大賞奨励賞・JPMベストプロモーショナル・プログラム賞・ACCブロンズ・グッドデザイン賞を受賞する。

一方、地方自治体向け事業として、国家戦略特区(農業特区)兵庫県養父市のシティプロモーションに関する包括的な取り組みをサポートする。2018年より事業構想大学院大学事業構想研究所客員准教授として公民連携プラットフォームのシティプロモーション研究会を担当する。

■株式会社フラクタル
フラクタルのシティプロモーションは、本来あるべき地域の理想の姿から地域と共にマーケティング戦略を考え、課題解決力のあるコミュニケーションデザインを通じて効果的なプロモーション戦術を構築します。
東京都台東区蔵前1-7-7 アイランドビル7F
TEL: 03-3866-1938
URL: http://www.fractale.co.jp/

(本件に関するお問い合わせ先)
株式会社フラクタル
コミュニケーションデザインユニット
シティプロモーション担当:菅野 秀和
Mail:h.kanno@fractale.co.jp

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