【第1話】成功クリエイターが語るセルフプロデュース術!

ひと CBLA 対談・セミナー
2017-01-20

こんにちは、亀岡です。
SNSで誰でも情報発信ができるようになった時代だからこそ、発信する情報を魅力的に伝えること、さらにそれをビジネスに繋げることは相当難しいですよね・・・

そこで今回取材したのは「僕らのセルフプロデュース術」という対談セミナー。「セルフプロデュース」というキャラクター業界に限らず感心の高いテーマなだけに、定員を超える80名以上の参加者が集まりました。

ゲストには有名キャラクター作家「キタイシンイチロウ」さん「森チャック」さんを迎え、MCはキャラクター作家・絵本作家として活躍するムライタケシさんが進行します。


「普段は仲が悪い二人として業界では有名なんですけど・・・5年ぶり?」「裏で胸ぐら掴みあってたんですけどね・・・」お二人の仲の良さ?が伺えるトークで会場全体が笑いに包まれながらセミナーがスタートしました。


クリエイタープロフィール
キタイシンイチロウ

デザインチーム[DEVILROBOTS]代表。グラフィック、キャラクター、イラスト、映像、WEB、音楽、グッズの企画・デザイン・制作を手がける。「cuteness and blackness」をコンセプトにアートワークを展開。代表作は「トーフ親子」。Disney、NHK、Sanrio、ガチャピン&ムック、タツノコプロ、日本アニメ、円谷プロ等のリデザイン、ミュージシャンやアパレルブランドとのコラボも手がける。海外にも活動の場を広げ、特にアジアでは絶大な支持を得ている。
オフィシャルサイト


クリエイタープロフィール
森チャック

1995年から漫画家、商業イラストレーターを経て、キュートなキャラクターの裏に独自のユーモアセンスで世の中の矛盾や問題を巧妙に潜ませたシリーズ「チャッX(チャックス)」を2000年よりスタート。当初はポストカードを路上で販売する「ストリート活動」でメディアに取り上げられ、話題となる。代表作は「いたずらぐまのグル~ミ~(GLOOMY The Naughty Grizzly)」、「がおくんのかわをかぶっためぇめぇさん(ポドリー)」、「クマキカイ」、「つるしぐま」、「汎用うさぎ」「はらぺこざめのスリットギル」など。


MCプロフィール
ムライタケシ

やさし過ぎる絵本作家/キャラクター作家としてオリジナルキャラクターや企業キャラクター、絵本を手掛ける。2008年に「フラッフィー・バブール」がサンリオから商品化!サンリオで唯一オリジナルキャラクターで契約しているキャラクター作家。2013年からは自身のキャラクター販売イベント「ムライワールド ポップアップ ギャラリー」を各地で開催している。 2016年からCBLAのクリエイティブ分科会の企画をサポートしている。


01|とにかく絵を描くのが好きだった


「絵は幼稚園くらいの頃からチラシの裏にずっと描いていました。ゴレンジャーとか」「僕もそれは一緒ですね。母親からチラシと鉛筆渡されてロボットとか描いていました」子供の頃から絵を描くのが大好きだったお二人。それぞれのデビューのきっかけをおしえてくれました。


02|常にチャレンジしていた


森チャックさん
「車が大好きでガソリンスタンドで働いていたんですが、仕事内容にギャップがあり辞めたいなと考えていたところ、SPA(雑誌)の特集で漫画家はこんなに儲かる!(笑)という記事を読んで、辞めるにはこれだ!ってなったんですよね。その後は空いた時間に漫画を描いて、半年後にはヤングマガジンで読み切りデビューしました。それが絵を仕事にするきっかけに」

キタイシンイチロウさん
「広告会社のデザイナー時代に、大阪梅田でイラストレーターの大先輩であるスージー甘金さんが展示とオリジナルキャラクターのコンテストをされていて応募しました。そしてキャラクターキングに選ばれたのがトーフ親子なんです」
 
全くの異業種から転身したチャックさんとデザイン業界からきっかけを掴んだキタイさん。人気キャラクターが生まれた原点にはそれぞれの転機があったんですね。


03|注目されるきっかけは?


キタイシンイチロウさん
「雑誌やCDジャケットのデザインがしたくて上京し、音楽事務所のデザイン部でグラフィックデザインをやっていました。それまでトーフ親子は封印していたんですが、CDマガジンでキャラクターコンテストがあり応募しました。それが採用されたことで、またスージー甘金さんに会えることになり、あのキャラクターは大事にしたほうがいいよ!と言われて復活させたことがきっかけですね」

森チャックさん
「グル~ミ~を世に出すきっかけとなったのがストリート活動です。当時は漫画連載を目指しつつ求人雑誌のanの制作会社でイラストレーターの仕事をしていて、職場の仲間とオリジナルのポストカードを遊び半分で閉店後の大阪心斎橋筋商店街の路上で売ることになりました。当初は1年間で成果が出ないならやめようって決めてはじめましたが、半年後には週末の夜3時間だけのストリート活動だけで会社の給料を上回ったので求人誌の方を退職。1年後には人だかりで商店街をふさいでしまうほどに・・・。その頃、1度の出店でポストカードが1,000枚以上売れるようになっていて、そのタイミングくらいにエージェントから契約の話がきました」


04|コラボはキャラクター認知度を高める


話題喚起やキャラクター認知度を高めるために必要なこととは?

キタイシンイチロウさん
「トーフが広がってきたなと感じたのはコラボをやり始めてからですね。コラボによって相手との相乗効果も出るのかなと思います。認知度が上がったのはやっぱりディズニーとのコラボですね。ディズニーシーで限定ショップを出していた時に駄目元で提案したんですが、企画が通ってTシャツなどにコラボ展開しました。それなりに制約はありましたが、自分のキャラクターをどう出していくのか挑戦でもあったのです」

森チャックさん
「最初はエージェントのコミュニケーションを一気に使ってもらったのがきっかけで色んな企業から声をかけてもらえるようになりました。コラボは単独での展開が一巡し、エージェントから独立した頃から増えた感じでしたが、コラボをすると今まで見えてなかったものを発見できるのがいいところですね。例えばS耐のレーシングチームとコラボした時は、グル~ミ~モチーフのレースクイーンコスチュームが好評で『すーぱーそに子』とのコラボに連鎖。そしてそに子のファンが世界中でその衣装のコスプレ画像をSNSで拡散という展開に。そういうのは単独ではありえないので楽しいです」


05|海外での活動で大事なこと


キタイシンイチロウさん
「海外ではトーフ親子のストーリーを伝えるためにコミックでPRしました。現地のデザイン雑誌の編集者が凄いやり手でキャラクターを浸透させる為にはインパクトだけでは無くてキャラクターが持つ世界観をもっと出していった方が良いと話し合って手法をコミックに決めました」
 
「また、海外はスピードが早いですね。僕がOK出してないデザインがすでに掲載されていたりしますからね(笑)チェックさせてよ!と言うのですが、印刷してしまっているので笑うしかないですね。特にアジアのマーケットは日本と比べるとユルイ部分が多いですが、一方ではトイメーカーがキャラクターライセンスを買い取っている契約が多く、日本では難しいとされる交渉が早くて楽にできるのも特徴です。海外のスピードに適応することで、多くのコラボを手掛けることができています」

森チャックさん
「海外の展開ではネーミングも重要です。実はグル~ミ~はネーミングが後になってネックになってしまって。大阪時代にラジオ番組へ出演する際にキャラクターの名前が必要なので考えたんですが、海外の展開となると英単語のGLOOMYだと憂鬱、陰鬱という解釈となるので、海外ではGLOOMY BEARと言わないと伝わらないし意味も違ってくる。ネット検索でも不都合ありますね」
 
「2002~2003年ごろにミュージシャンのコートニー・ラブがグル~ミ~を使いたいと言ってきてくれたんですが、その時にコートニー・ラブ側がグル~ミ~を自由にいじって提案してきたのをこちらで手直しさせてくださいと言っている間に断られてしまったことがあります。当時は作品に変なこだわりがあったので時間をかけてしまいチャンスを逃してしまいました。今だったら即OK(笑)出しますが、当時は若かったですね」と海外展開に関する失敗談を語ってくれました。


06|セルフプロデュースで大事なこと


キタイシンイチロウさん
「現在は誰でも発信できる場もあるし、競争社会で何が受けるのか?わからない時代ですし、キャラクターも消費されるだけで終わってしまうともったいないじゃないですか。とにかく自分の作品を発表し続けることでチャンスがあると思います」
 
「WEBの使い方に関してもオリンピックのロゴ問題もそうですが、何かに似ていると叩かれたりする時代なので、日頃からアンテナを張って世界のキャラクターを研究しておく必要もあります。トーフとかグル~ミ~みたいに自分の中にしっかりカタチをつくって発信し続けることで認知されていくと、キャラクターがだんだん強くなっていくと思います」

森チャックさん
「キャラクターはタレントやアイドルと一緒で、毎年新しい人が出てくるので勝ち続けないと残れない厳しい世界だと思います。一方でキャラクターは歳をとらないので作者次第で時代に合わせていけるし、自分のキャラクターを大事に考えてファンを楽しませたいと考えています」


お二人の話を聞いていて心に残ったのは自分のキャラクターを心の底から愛していると言う事です。どんなに成功してもキャラクターを他人に任せることなく、自分の言葉や手法で発信し続けることの重要性を強く感じました。本日のテーマはセルフプロデュース術ではありますが、参加された皆さんは対談を通じてクリエイターの本質を学ぶ機会となったのではないでしょうか。

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取材・撮影|亀岡勇人

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CBLAクリエイティブ分科会は成功クリエイターの事例を共有することで、会員クリエイターのスキルアップと著作、商標など自分のキャラクターをどう守るかなどのキャラクタービジネスについても学びながらキャラクタービジネス業界を盛り上げることを目的に活動をされています。協会ではビジネスには必要な 縦横の人脈も広げられる会で、随時正会員、準会員の受け付けています。
※CBLA:一般社団法人キャラクターブランド・ライセンス協会